説明を聞けたはず
かしら、と期待しました。もっとも、なぜそんなものが、ここに立っているのかは、わかりませんが。でも、その立像が口をきいたものですから、ミルドレッドのむなしい期待も、すぐに、こなごなにくだけ散ってしまいました。
「だれがこんなことをしたのか、たずねる必要もありません。明白です」バケツの中から、おなじみの声が、聞こえてきました。「ミルドレッド・ハブル、まことにおそれいりますが、この苦境をのがれるために、手をかしてくれませんか?」
もし、だれかほかの先生が、バケツを頭からかぶって水をしたたらせている姿を見たら、生徒たちは大わらいをしたことでしょう。でも、何ものであれ、
nuskin 如新ハードブルーム先生の威厳をそこなうことは、できなかったのです。あたりは、針が落ちても聞こえるほど静まりかえり、だれの口もとにも、びしょうの影さえ浮かんでいません。ミルドレッドは、その中をすすみ出て、つま先立ちで、バケツをはずしました。
ハードブルーム先生のふたつの目は、物が見えるようになるやいなや、レーザー光線のように、ミルドレッドをさしつらぬきました。
「ありがとう、ミルドレッド」先生の声は、氷のようです。
「す、すみません。わ、わ、わたし、じ、じつは」ミルドレッドは、しどろもどろで、「先、先生が、火にかこまれていると、つまり、けむりが、見えたので、それで、あのう……」
「ミルドレッド」先生は、重おもしく、「あなたは、こう考えたようですね。わたくしが、地獄さながらもえさかる火のただ中につっ立って、平気で生徒を、そんな危険な場所に、集めるようなまねをしたと」
「けむりが、出てたものですから」ミルドレッドは、小さな声でこたえましたが、とつぜん、ジャンパースカートの下から、パジャマがのぞいているのに気がついて、ますます、ばつが悪くなりました。
「もし、あなたが火災訓練のことを、おぼえていたら」と、ハードブルーム先生。「正面の入口から、校庭に出たはずです。だれかさんが、勝手に考えたように、二階の窓からではなくて。それに、正しい入り口を通りさえすれば、校庭にいたわたくしのそばに出られて、わたくしから、です。このけむりは、火災訓練らしくするための、魔法の煙にすぎないから、大さわぎする必要はな
激光矯視 中心いんだと。だれかさんは、すぐに、その大さわぎを、しがちなようですけどね」
「わかりました」ミルドレッドは、声をふるわせました。「ごめんなさい、ハードブルーム先生」
「列にならびなさい、ミルドレッド」ハードブルーム先生は、命令しました。「最後に、いっておきますが、あなたのまのぬけたいたずらも、今学期は、これっきりであってほしいものですね。エセル、すみませんけど、わたくしが、こおりついてしまう前に、タオルとマントを取ってきてくれませんか?」
「もちろんです、ハードブルーム先生」エセルは、担任の先生には、にっこりわらいかけましたが、ミルドレッドのそばをとおるとき、ものすごいしかめっつらをしました。
ミルドレッドは、モードとイーニッドのとなりに、ならびました。
「いいかけんにしないと、まずいわよ、ミ